潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)の代表的な疾患で、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、びらんや潰瘍を形成する病気です。症状が強くなる「活動期」と、症状が落ち着く「寛解期」を繰り返すことが特徴で、日本では指定難病となっています。近年は患者数が増加しており、若年者だけでなく中高年で発症する方もおられます。
原因は完全には解明されておらず、遺伝的素因に加え、腸内細菌叢(Dysbiosis)の変化、腸管バリア機能の破綻、免疫異常、環境因子などが複雑に関与すると考えられています。本来は体を守る免疫が大腸粘膜を過剰に攻撃し、TNF-αやIL-12/23などの炎症性サイトカインが持続的な炎症を引き起こします。
病変は直腸から始まり、連続性に口側へ広がることが特徴です。病変範囲によって直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型に分類されます。
「血便は痔だと思っていた」「下痢が続くので過敏性腸症候群だと思っていた」という患者様は少なくありません。しかし、症状が軽くても内視鏡では炎症が広範囲に及んでいることがあります。早期診断と適切な治療によって、仕事や学業、日常生活を維持できる患者様が数多くおられるため、症状を放置しないことが大切です。
潰瘍性大腸炎(IBD)
