2026年9月29日

いびき・日中の眠気は要注意|睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
「家族から、いびきがうるさいと言われる」
「寝ているときに呼吸が止まっていると言われた」
「しっかり寝ているはずなのに、昼間に眠い」
このような症状はありませんか?
もしかすると、その原因は睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。睡眠の質が低下することで日中の強い眠気や集中力低下につながるだけでなく、高血圧などさまざまな病気との関連も知られています。
実は、私自身も睡眠時無呼吸症候群があり、現在CPAP(シーパップ)治療を続けています。
今回は、自分自身の経験も交えながら、睡眠時無呼吸症候群の症状や検査、治療についてお話しします。
私自身も睡眠時無呼吸症候群でCPAP治療をしています
私は以前からいびきがひどく、日中の眠気もかなり強いほうでした。
特に学生時代は、講義を最後まで起きて聞いていることが難しいほど眠くなることがありました。
当時は「自分は眠くなりやすい体質なのだろう」くらいに思っていましたが、振り返ってみると、睡眠時無呼吸症候群によって夜間に十分な質の睡眠がとれていなかったことが大きく影響していたのだと思います。
寝ている間に呼吸がとまっているとの指摘もあり、検査を受けてみたところ、睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP治療を開始しました。
CPAPを使うようになってから日中の眠気は大きく改善し、以前と比べて日中をかなり快適に過ごせるようになりました。
もちろん治療効果には個人差がありますが、自分自身が患者として治療を受けているからこそ、「いびきくらい」と放置せず、一度調べてみることの大切さを実感しています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
成人の睡眠時無呼吸症候群で多いのが、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)です。
眠ると舌や喉の周囲の筋肉がゆるみ、空気の通り道である「上気道」が狭くなります。さらに気道が塞がると、一時的に呼吸が止まってしまいます。
呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下し、身体は呼吸を再開させようとして覚醒反応を起こします。
本人には「何度も目が覚めた」という自覚がないことも少なくありません。しかし実際には、一晩のうちに睡眠が何度も分断され、十分に深い睡眠をとれなくなっています。
その結果、「たくさん寝たはずなのに眠い」「朝起きてもすっきりしない」といった症状につながります。
こんな症状があれば睡眠時無呼吸症候群かもしれません
代表的な症状は、いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気です。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックとして、以下の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
• (1.5点) しょっちゅう(常習的に)いびきをかく
• (1.5点) 肥満傾向がある
• (1.5点) 高血圧がある(高血圧の薬を飲んでいる)
• (1.5点) 昼間の眠気、居眠りで困ることがある(仕事中、会議中、運転中など)
• (1.0点) 寝つきは悪くないが、夜間の眠りが浅い、またはしばしば目が覚める(トイレで目が覚める場合も含む)
• (1.0点) いくら寝ても朝疲れがとれていない感じがする、もしくは朝しばしば頭痛がある
• (3.0点) お酒を飲んでいない日でも、夜間寝ている時に息がとまる日がある
合計が3点以上の方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。
特に「大きないびき+日中の眠気」がある方は、一度検査を検討してよいでしょう。
心当たりのある方は、ぜひご相談ください。
痩せていても睡眠時無呼吸症候群になることがあります
「睡眠時無呼吸症候群は太っている人の病気」と思われている方も多いかもしれません。
私も、決して肥満体型ではないですが睡眠時無呼吸症候群なので、よく「意外だね」と言われます。
確かに肥満は重要なリスク因子のひとつです。
しかし、それだけではありません。
顎が小さい、下顎が後ろにある、舌が大きい、扁桃が大きいなど、もともとの骨格や喉の形によって気道が狭くなりやすい方もいます。
そのため、太っていない方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあります。
体型だけで「自分は大丈夫」と判断しないことが大切です。
睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群の問題は、いびきや眠気だけではありません。
睡眠中に「無呼吸→低酸素→呼吸再開」を何度も繰り返すことで、交感神経が活性化し、心臓や血管にも負担がかかります。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの心血管疾患との関連が知られています。
また、日中の強い眠気によって仕事や学業の能率が低下したり、居眠り運転などの事故につながったりする可能性もあります。
「いびきだけだから」と放置せず、疑わしい場合には一度きちんと調べることが大切です。
胃カメラ・大腸カメラが睡眠時無呼吸症候群に気づくきっかけになることも
当院では、胃カメラ・大腸カメラをできるだけ楽に受けていただくため、希望される方には鎮静剤を使用して内視鏡検査を行っています。
鎮静剤を使用すると、検査中は眠った状態に近くなります。
その際、非常に大きないびきをかく方や、舌が落ち込んで気道が狭くなりやすい方、呼吸状態に注意が必要となる方がいらっしゃいます。
もちろん、鎮静中にいびきをかいたというだけで睡眠時無呼吸症候群と診断できるわけではありません。
ただ、そのような方には、
「普段からいびきをかきませんか?」
「ご家族から寝ているときに呼吸が止まっていると言われませんか?」
「昼間に強い眠気はありませんか?」
などと確認することで、これまで本人が気づいていなかった睡眠時無呼吸症候群を疑うきっかけになることがあります。
内視鏡検査をきっかけに、睡眠時無呼吸症候群の可能性に気づく。
これは、日常的に鎮静剤を使用した胃カメラ・大腸カメラを行っている当院だからこそできる、ひとつの気づきだと考えています。
検査中の状態から睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられる場合には、必要に応じて簡易検査をご案内します。
睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でできます
まずは簡易検査
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まず簡易検査を行います。
当院で簡易検査を段取りさせていただいた方には、自宅に機器が届きますので、一晩装着していただき、返却するだけで簡単に検査ができます。
検査は、専用の検査機器を装着して普段通りに眠っていただき、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素飽和度などを測定します。
検査結果では、睡眠中に無呼吸や低呼吸がどの程度起こっているかを評価し、その結果と症状をあわせて、その後の検査や治療方針を決めていきます。
簡易検査後のおおまかな流れ
検査において重要な指標が、AHI(無呼吸低呼吸指数)です。
AHIは、1時間あたりに無呼吸や低呼吸がどの程度起こっているかを示す指標で、数値が高いほど睡眠中の呼吸障害が多いことを意味します。
簡易検査では、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素飽和度などを測定し、AHIなどの結果から睡眠時無呼吸症候群の可能性を評価します。
なお、簡易検査では脳波を測定しないため、実際に眠っていた時間を正確に判定することはできません。そのため、簡易検査で得られるAHIは、脳波を含めて睡眠状態を詳しく調べる精密検査(PSG)のAHIとは測定方法が異なります。
AHI 30以上
→ 日中の強い眠気などの症状があり、一定の条件を満たす場合には、CPAP治療の対象となります。
AHI 30未満
→ 検査結果や症状を総合的に判断します。睡眠時無呼吸症候群が疑われ、さらに詳しく評価する必要がある場合には、精密検査(PSG)へ進みます。
簡易検査の数値だけですべてが決まるわけではありません。いびきや日中の眠気、起床時の頭痛などの症状も含めて総合的に判断します。
必要な場合は精密検査(PSG)へ
簡易検査の結果から、さらに詳しい評価が必要と判断した場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行います。
PSGも当院で段取りの上、自宅で受けていただける検査です。
PSGは、呼吸状態や酸素飽和度に加えて、脳波なども測定することで、実際に眠っている時間や睡眠の深さなどを詳しく調べる検査です。
PSGにおいても重要な指標のひとつが、AHI(無呼吸低呼吸指数)です。
PSGにおけるAHIは、「実際に眠っている1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起こったか」を示す指標です。
一般的には、
AHI 5~15未満:軽症
AHI 15~30未満:中等症
AHI 30以上:重症
と分類されます。
2026年度の診療報酬改定ではCPAP治療の基準が見直され、精密検査(PSG)でAHI 15以上で、症状や睡眠状態など一定の条件を満たす場合には、保険診療でCPAP治療の対象となります。
CPAP(シーパップ)治療とは?
睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療が、CPAP(持続陽圧呼吸療法)です。
寝るときに鼻などにマスクを装着し、機械から空気を送り込むことで、睡眠中に狭くなってしまう気道を空気の圧力で広げておく治療です。
「人工呼吸器のようなものですか?」と思われるかもしれませんが、CPAPは機械に呼吸をしてもらう治療ではありません。
空気の圧力を利用して、眠っている間に喉が塞がらないようにする治療と考えると分かりやすいと思います。
私自身も毎晩CPAPを使用しています。
最初はマスクをつけて眠ることに多少の違和感がありましたが、慣れてくると普通に眠れるようになりました。
その快適さと、使用しないことの不安感もあり、当直、出張、旅行などの際も持ち歩いています。
そして私の場合、何より大きかったのは、長年悩まされていた日中の眠気が改善したことです。
CPAP治療についても、当院で導入することが可能です。
西宮市で睡眠時無呼吸症候群の検査をご希望の方へ
にしじま内科・消化器内視鏡クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群について、
診察
↓
自宅での簡易検査
↓
必要に応じて自宅での精密検査(PSG)
↓
結果説明
↓
必要に応じてCPAPなどの治療導入
まで、一連の流れを段取りすることができます。
「家族からいびきがうるさいと言われた」
「寝ているときに呼吸が止まっているらしい」
「しっかり寝ているのに昼間に眠い」
「睡眠時無呼吸かどうか一度調べてみたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
また、当院で鎮静剤を使用した胃カメラ・大腸カメラを受けた際、いびきや呼吸状態などから睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられる場合には、必要に応じてこちらから検査をご提案することもあります。
「昔から眠い体質」と思っている方へ
私自身、学生時代には講義を最後まで起きて聞いていられないほど眠気が強かったのですが、その頃は睡眠時無呼吸症候群が原因だとは思っていませんでした。
長年同じ状態が続いていると、
「自分は昔からよく寝る」
「眠くなりやすい体質だ」
「いびきは昔からだから仕方がない」
と思ってしまいがちです。
しかし、その「昔から」の症状の背景に、睡眠時無呼吸症候群が隠れているかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群は、適切に診断して治療することで、睡眠だけでなく日中の生活の質も改善できる可能性がある病気です。
私自身、CPAP治療を始めてそのことを実感しています。
西宮市・夙川・さくら夙川周辺で、いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気が気になる方は、にしじま内科・消化器内視鏡クリニックまでご相談ください。
