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お酒は肝臓だけでなく、大腸にも悪い?―飲酒と大腸がんの意外な関係―

お酒は肝臓だけでなく、大腸にも悪い?―飲酒と大腸がんの意外な関係―|にしじま内科・消化器内視鏡クリニック|兵庫県西宮市の内科・消化器内科・肝臓内科・内視鏡内科

2026年10月23日

お酒は肝臓だけでなく、大腸にも悪い?―飲酒と大腸がんの意外な関係―

お酒は大腸がんのリスクを高める?飲酒量との関係や予防法を解説|西宮・夙川

お酒と大腸がんには、意外な関係がある?

仕事終わりの一杯、仲の良い人と楽しむお酒、自宅での晩酌。

お酒は、日々の生活の楽しみの一つという方も多いのではないでしょうか。

前回の医療コラム「お酒に強い人は、肝臓も強い?」では、お酒への強さと肝臓の健康との関係についてご紹介しました。

お酒に強いからといって、肝臓も強いわけではないことや、アルコールを分解する体質には個人差があることなどをお話ししました。

今回は少し視点を変えてみます。

お酒が影響を与えるのは、肝臓だけではありません。

実は、飲酒は大腸がんのリスクを高めることも、さまざまな研究から明らかになっています。

「肝機能の数値は正常だから大丈夫」
「お酒は好きだけれど、大腸のことは考えたことがなかった」

そんな方にこそ、ぜひ知っていただきたい内容です。

今回は、飲酒と大腸がんの関係について、日本人を対象とした研究結果も交えながら、わかりやすくお話しします。

お酒は大腸がんのリスクを高める?

お酒による健康への影響というと、脂肪肝や肝硬変など、肝臓の病気を思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、アルコールの影響は肝臓だけにとどまりません。

世界保健機関(WHO)の専門機関である国際がん研究機関(IARC)は、飲酒によって大腸がんのリスクが高まることについて、十分な科学的根拠があると評価しています。

日本の国立がん研究センターも、飲酒を大腸がんの「確実」なリスク要因としています。

つまり、飲酒と大腸がんの関係は、単なる偶然の話ではありません。

お酒を飲む習慣は、大腸がんの発症リスクを高めることが、科学的に明らかになっているのです。

ただし、お酒を飲む人が必ず大腸がんになるわけではありません。飲酒は、大腸がんの発症に関係するさまざまな要因の一つです。

どのくらい飲むと、大腸がんのリスクが高くなる?

では、実際にどのくらい飲むと、大腸がんのリスクが高くなるのでしょうか。

日本人約20万人を対象とした5つの大規模研究をまとめた解析では、飲酒量が増えるほど、大腸がんのリスクが高くなることが示されました。

男性では、お酒をまったく飲まない人と比較して、1日あたりの純アルコール摂取量によって、次のような結果が報告されています。

つまり、ビール500mLを毎日1本程度飲む習慣でも、研究でリスクの上昇が認められた飲酒量に近づくことになります。

ただし、この数字は集団全体で比較した相対的なリスクであり、個人が大腸がんになる確率を示したものではありません。

また、女性でも飲酒量の増加と大腸がんリスクの上昇が報告されています。

「毎日少しずつだから大丈夫」とは、必ずしも言い切れないのです。

なぜ、お酒を飲むと大腸がんになりやすいの?

アルコールが大腸がんのリスクを高める仕組みについては、まだ完全には解明されていません。

ただし、いくつかのメカニズムが考えられています。

① アルコールの代謝によって生じる物質の影響

前回のコラムでも少し触れましたが、アルコールは体内で分解される過程で、アセトアルデヒドという物質に変化します。

アセトアルデヒドには発がん性があり、細胞のDNAを傷つけるなどして、がんの発生に関与すると考えられています。

② 腸内環境への影響

近年、注目されているのが、飲酒と腸内細菌の関係です。

アルコールの摂取によって腸内細菌のバランスや腸のバリア機能が変化し、炎症などを通じて大腸の健康に影響する可能性が指摘されています。

ただし、こうした腸内環境の変化が、実際にどの程度大腸がんの発症に関与しているかについては、まだ研究が進められている段階です。

③ 葉酸の働きへの影響

葉酸は、細胞の増殖やDNAの合成・修復などに関係するビタミンです。

多量の飲酒は葉酸の代謝や働きに影響し、発がんにつながる可能性が指摘されています。

このように、アルコールはさまざまな経路を通じて、大腸がんの発生に関与していると考えられています。

お酒はどのくらいまでなら飲んでも大丈夫?

ここまで読んで、「では、1日何杯までなら安全なの?」と思われた方もいるかもしれません。

実は、がん予防という観点では、明確に安全といえる飲酒量は確立されていません。

2026年6月、国立がん研究センターは、日本人のための「科学的根拠に基づくがん予防法5+1」を改訂しました。

この中で、飲酒に関する推奨は、従来の「節酒する」から「飲酒をひかえる」へと変更されました。

少量の飲酒でも、がんのリスクが高まる可能性があることが、その背景にあります。

もちろん、お酒を楽しみにしている方にとって、急に飲酒習慣を変えることは簡単ではないと思います。

まずは、普段の飲酒量や頻度を振り返り、飲む量を少し減らしたり、お酒を飲まない日を設けたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

大切なのは、無理なく飲酒量を減らしていくことです。

お酒を控えていれば、大腸がんにならない?

飲酒を控えることは、大腸がんのリスクを減らすための大切な取り組みです。

しかし、大腸がんの発生には、年齢、遺伝的な要因、喫煙、肥満、食生活など、さまざまな要因が関係しています。

そのため、お酒を飲まない方でも、大腸がんになる可能性はあります。

また、大腸ポリープや早期の大腸がんでは、症状がほとんどないことも珍しくありません。

日本では、40歳以上の方に、年1回の便潜血検査による大腸がん検診が推奨されています。

便潜血検査で陽性となった場合には、症状がなくても大腸カメラによる精密検査が必要です。

大腸カメラでは、大腸の粘膜を直接観察し、ポリープや早期がんを発見することができます。

また、切除が適切な大腸ポリープを取り除くことは、将来の大腸がんの予防にもつながります。

生活習慣を整えることと、適切な検診を受けることの両方が大切です。

当院では、肝臓の診療と大腸カメラの両方に対応しています

にしじま内科・消化器内視鏡クリニックでは、消化器病専門医・肝臓専門医・消化器内視鏡専門医としての専門性を生かし、飲酒に関連する健康問題について幅広く診療しています。

「お酒を飲む機会が多く、肝臓の数値が気になる」
「飲酒習慣があるので、大腸がんも心配」
「大腸カメラを受けたことがない」

そのような方は、どうぞお気軽にご相談ください。

当院では、血液検査や腹部エコーによる肝臓の評価に加え、大腸内視鏡検査による大腸精査も行っています。

大腸カメラでは、ご希望に応じて鎮静剤を使用し、できるだけ苦痛を抑えた検査を心がけています。

また、AIによる内視鏡診断支援システムを活用することで、病変の発見の補助を行っています。

検査中にポリープが見つかった場合には、大きさや形状などを判断し、適応があれば日帰りでのポリープ切除も行っています。

お酒の影響は、肝臓だけではありません

前回のコラムでは、お酒への強さと肝臓の健康についてお話ししました。

今回は、さらに一歩進んで、飲酒と大腸がんの関係をご紹介しました。

飲酒は、大腸がんのリスクを高めることが科学的に明らかになっています。

特に、飲酒量が多い方では、大腸がんのリスクがさらに高くなることが報告されています。

「肝機能の数値が正常だから大丈夫」
「お酒は好きだけれど、大腸のことは気にしていなかった」

そんな方も、この機会にご自身の飲酒習慣を振り返ってみてはいかがでしょうか。

お酒を控えることは、肝臓だけでなく、大腸の健康を守ることにもつながります。

40歳を過ぎた方、便潜血陽性を指摘された方、ご家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる方は、一度大腸カメラを検討してみてください。

西宮市・夙川・さくら夙川・香櫨園周辺で、飲酒による肝臓への影響や大腸がんが気になる方は、にしじま内科・消化器内視鏡クリニックまでお気軽にご相談ください。

にしじま内科・消化器内視鏡クリニック

院長 西島 規浩

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